日本刀(真剣)と模造刀及び外国製の日本刀の違い

超初級コラム

私たちが日本刀と呼ぶのはこのようなものです↓



日本刀をもっとみる1
日本刀をもっとみる2

これは模造刀です↓

一般的な模造刀は亜鉛合金製で磁石はつきません。(日本刀は鉄)刃文も表面上の見せかけだけのもので、刃先は切れないように丸くなっております。写真の模造刀は茎の鑢目なく、切先の横手、鎬筋などが真剣と比べると精巧でないのがわかるかと思います。

外国製の日本刀

現物がなく写真を撮影できないのですが、ダマスカス鋼を使用しているのを見かけます。EBAYで「Japanese sword」と検索すると真剣の中にこのようなものが紛れているのを確認できるかもしれません。

ダマスカス鋼はこれです。Wikipediaから画像引用
日本刀は↑このようなはっきりとした色が違う層の肌にはなりません。またステンレスのような味気のない食器のナイフのような、のぺっとした鍛錬肌がない日本刀の形だけのものも見かけました。日本刀(真剣)の写真をアップするので見比べてみてください。

さまざまな日本刀


汚れ、傷、研ぎ跡がある日本刀

日本刀をルーペでみる

ルーペを使用し日本刀をよーく見ると砂よりももっと細かいレベルの異なる素材(同じ鉄でも炭素含有量の違いや他元素が含まれる)が混ざりあっているように見えるかもしれません。一般的なダマスカス鋼、模造刀をルーペでみてもこのような細かな世界は見る事はできないはずです。

日本刀A

日本刀B


下の写真ような複雑な匂口も本物の日本刀の刃の特徴です↓

軍刀、昭和刀のようなくっきりとした匂口、働きが少ない直刃の匂口もあります。
鍛錬肌も日本刀特有です。

一見するとダマスカス鋼も鍛錬肌と同じような模様ではありますが色味や奥深さが異なります。

上でも記載しましたが日本刀は↑このようなはっきりとした色が違う層の肌にはなりません。遠くから見ると肌はわかないくらいで、全体的に鉄っぽく光沢があり、近くでみると光の反射が僅かに変わり、肌、地景、刃の働きがわかるくらいのものなのです。刃文は研ぎのやり方で遠くから見て刃文とわかるようなものから、近くで見ても刃文がわからないものもあるのでここではあえて言及しません。焼き刃について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください

一般的なダマスカス鋼は純度が整ったA、Bのように二種類のもので多層となっておりますが、日本刀の鋼は純度が整ってなく、さまざまな元素、炭素量を含んだものが混ざりあい層となっています。そのため、奥深さがでるのです。純度が整ってないAとBを折り返し鍛錬、純度が整ってないA,B,Cを折り返し鍛錬、それを甲伏せ、あるいは丸鍛、あるいは四方詰などなど混ぜ方、造り込みは流派があったり、一概に現れる模様、鉄味を言えませんが、一般的にはダマスカス鋼のようなはっきりとした層ではなく、内曇り砥、鳴滝砥という天然砥石(鳴滝は人工砥も有り)を使用することにより僅かに現れる奥深き層があるのが本物の日本刀なのです。

しっかり美術研磨された日本刀は自然の地層、宇宙、雲をみているような細かな世界をみせてくれるものがあります。(軍刀など一部の刀をのぞく

今の反りがある日本刀は約千年前の平安時代末期からはじまり、室町時代末期までの古刀期、江戸時代から新刀期、江戸末期から新々刀期、そして現代と多少鉄の材料(砂鉄、南蛮鉄、玉鋼)、姿、用途等変化するもののの大きな形は変えずに移行してきました。鉄の妙味を見つけやすいのが古刀、次に新刀、新々刀、現代刀という順番が私の見解です。もちろん、流派、材料、方法により例外もあり個体差ありますが、一般的に味を見つけやすいのが古刀、時代が下る(現代に近づく)につれ精錬技術が増し、俗にいう綺麗になり工業鋼のような均一的な美をまといます。(良し悪しはここでは言及しない)が精錬された現代刀にも鍛傷はどこかに出るもので、この鍛え傷や鍛肌が確認できないものは日本刀ではないと疑うべきものでございます。またルーぺで見れば上でUPしたように砂よりも細かな鉄が混ざった景色を現代刀でも発見できます。海外製の日本刀らしきものも拝見しましたが、ダマスカス鋼またはただの鋼を焼き入れしたもので古刀から現代刀のそれ(古式鍛錬された鉄)とはまったく違うものです。

数をみると簡単に見分けることができると思います。

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